2006.02.03

雁足(がんあし)

桟瓦を葺いた後ろ下から見える斜めの線のことを言う。
この線は桟瓦の角瓦の点の繋がりで、一枚づつの斜線と一枚飛び(桂馬飛び)の斜線とがある。
この斜線を見れば屋根上の桟瓦の横足の通りを知ることができる。
雁が群れをなしで飛んでいる姿が、桟瓦の曲線に似ているところからの呼称と思われ、「雁行」と言うところもある。

2006.02.01

冠瓦(かんむりがわら)

棟の最上部に使用する瓦のことを言い、種々ある形状の瓦の総称である。
冠瓦には紐丸瓦・素丸瓦・丸桟雁振瓦・角桟雁振瓦・垂付雁振瓦・箱瓦・熨斗丸瓦・衾瓦他がある。

2006.01.31

雁振瓦(がんぶりがわら)

冠瓦の中の一種で棟の最上部に使用する瓦のことを言う。
働き幅寸法210㎜(7寸)以上あり、呼称にはこの幅寸法を付けて「8寸雁振瓦」とか「9寸雁振瓦」と言う。

2006.01.30

簡略瓦(かんりゃくがわら)

和形の桟瓦等を言い、本葺瓦に対する言い方である。

2006.01.29

簡略葺き(かんりゃくぶき)

延宝2年(1674年)4月近江大津の瓦工である西村五兵衛正輝(のちの半兵衛)という人が本葺瓦の平瓦と丸瓦を一体化した桟瓦を考案され、この瓦で葺くことを「簡略葺き」と言い、この桟瓦の形状を和形と言い、本葺瓦に対しての言い方である。

2006.01.28

利足寸法(ききあしすんぽう)

桟瓦の場合では桟の長さから差込側の切込足寸法を減じた寸法を言い、屋根流れ方向の割付けの基準となる寸法である。
「登り寸法」・「登り足寸法」と言うところもある。

2006.01.27

利幅寸法(ききはばすんぽう)

瓦の大きさから重なり寸法を減じた寸法が働き寸法であり、この横方向の寸法を言い、屋根横方向の割付けの基準となる寸法である。
例えば右袖瓦の場合では利幅寸法から袖の出寸法を減じ、右袖瓦の割付けの葺幅寸法(野地に対する有効寸法)とする。

2006.01.26

規矩(きく)

伝統的な建築構法についての立体幾何学的な作図法で規矩法・規矩術の略。
日本建築においては特に隅軒廻りの墨付法に重点がおかれ、軒反りによる隅木や垂木の形状の変化や隅木への垂木・茅負・木負の納まり等を図上で求める技術を言う。

2006.01.25

菊(きく)

組棟に使用する瓦のことを言い、蓮華紋様が時代が降るに従って菊の紋様が多く使われるところからの名称である。
直径が45~90㎜(1.5寸から3寸)のものがあり、連菊といわれる直径30㎜(1寸)内外の小菊を5個内外を一つにしたものもある。

2006.01.24

菊間瓦(きくまがわら)

愛媛県越智郡菊間町に産する燻瓦を言い、讃岐土・五味土を原料とした変色しにくく、光沢のある瓦である。
瓦の大きさは、利幅寸法242㎜(8寸)内外・利足寸法212㎜(7寸)内外の64形である。

※菊間瓦