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行基の遺跡~「土塔」@堺市中区土塔町大和製瓦株式会社

category : 史跡, 建築物 2012.3.10

行基(ぎょうき/ぎょうぎ)という名をご存じだろうか?
「瓦」に携わる人間にとっては、「行基瓦」「行基葺き」などで馴染のある名であるが、一般の方にとっての知名度は如何許りなものなのか。
この「行基瓦」は、現存する日本最古の瓦として奈良の元興寺(がんごうじ)に葺かれているほか、法隆寺所蔵の玉虫厨子の屋根も行基葺きの形式となっています。そして、この行基は僧として広く仏法の教えを説いたのみならず、道場や寺を多数建立したり、多くの社会事業を各地で行ったり、奈良の大仏(東大寺)建立の責任者としても知られています。

今回ご紹介するのは、この行基が727年に創建した大野寺に築造された土製の仏塔「土塔」です。

2月16日に、京都府瓦工事協同組合において、全日本瓦工事業連盟関西ブロック主催で、棟の耐震(加振)実験が行われました。その際、屋根経済新聞社の市川氏とお会いして、「土塔」のことを尋ねられました。
お恥ずかしい話ですが、堺で生まれ育ち、長年瓦の仕事をしてきたにも拘らず、詳しい内容については知らなかったので、その場では即答できませんでした。
その時点での私の知識は、昔々土製の塔があったのが、その辺りの地名の由来であること。そして、10年ほど前に発掘調査が行われ、その後工事によって復元されたことぐらいでした。
翌日、あちこち調べ回った結果、色々と判ったことを書いておきます。

■ 昭和28年(1953)国の史跡に指定された。
■ 平成9-15年(1997-2003)に発掘調査が行われ、平成16-21年(2004-2009)の工期で平成21年4月に完成。
■ 堺市が管理所有している。
■ 整備面積:約4,500平米、一辺53.1m、高さ8.6m
■ 出土瓦約1,300枚、使用瓦約51,000枚
■ 元請業者:日の本土木(堺市北区百舌鳥陵南町)
■ 瓦製造および施工業者:石野瓦工業株式会社

以上のような内容です。
堺市文化観光局文化部文化財課で確認したほか、下記のサイトも参考にさせていただきました。

堺市のホームページ
伊東豊雄建築設計事務所 ARCHITECTURAL MAP
朝日新聞 動画
Wikipedia「土塔」
古寺巡訪

実は、翌日大阪で全陶連の催しがあったらしく、それに出席された市川氏は空き時間を利用して、見学に行かれたそうです。その時撮影された写真を送っていただいたので掲載しておきます。
近いうちに私も行ってみたいと思います。だって地元ですもんね。

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