ブタの貯金箱大和製瓦株式会社
プロ野球が開幕して、ほぼ野球中継、海外ドラマ、洋画しか見ていない毎日です。オフシーズンでも地上波はニュースやいくつかのバラエティ番組しか見ない毎日でしたけど。
そんな数少ない地上波番組の中で、毎週録画して見ている番組に『開運!なんでも鑑定団』がある。骨董好きというわけではないが、焼物をはじめ美術工芸品等が多く出てくるので、結構好きな番組である。そのアメリカ版とでも言うか、こちらとは違い実録風ドラマ仕立ての鑑定番組で、あちらではリアリティ番組に属するらしいですが、米国ケーブルテレビNO.1の視聴率を誇る『アメリカお宝鑑定団ポーンスターズ(PAWN STARS)』(PAWN=質です。決してPORNじゃないですよ、とんでもない意味になっちゃう。)と言う番組がある。
たまたまCS(スカパー)で歴史エンタテインメントチャンネル”ヒストリーチャンネル”を見ているときに発見したのですが、これが非常に面白い。
舞台はラスベガスに実在するポーンショップ(質店)で、カジノで負けて資金作りに質入れ、または大儲けしてお宝ゲットと、場所が場所だけにお客さんには事欠きません。サブタイトルに『~おもしろ質屋三代記~』とついていて、親子三代で質店を営むおデブなハリソン一家(創業者で祖父のリチャード、強面の店主で父のリック、若旦那の愛称の息子コーリー)に持ち込まれる、日本ではあまりお目にかかれないアメリカらしい珍品、逸品(南北戦争時代のもの、海賊船の引き揚げ品、人気のクラシックカーやコカ・コーラ関連グッズ等)が登場し、時には専門家に見立てを依頼しての買い取り価格交渉や、素晴らしい腕前のレストア職人や、息子の友人で従業員のおバカなチャムリーなんかが見所です。
先日の放送回で、ある女性が「古いヨーロッパの壺」を持ち込む。その時店主リックの口から「ブタの貯金箱」の話が出たのです。
なんでも、中世のヨーロッパでは皿や食器はオレンジ色の陶土(粘土)で作られていて、その土をピッグ(pygg、pygg clay)というのだとか。そして、女性は台所にある皿や壺に小銭を貯めておく風習があったのだと。つまり、その小銭を入れた(貯めた)器を、貯金箱という意味でピッグ・バンク(pygg bank)と呼ばれていた。そして、19世紀頃に、あるイギリスの陶器職人が客に「pygg bank」を作ってくれと依頼されるのだが、そのpyggをpigと聞き間違い、「pig bank」…つまりブタの形をした貯金箱を作ってしまった。だが、それが何故だかバカ売れし、それ以来「ブタの貯金箱」が定着したのだとか。
古くは「土器」から始まり、焼成温度を上げた「炻器(せっき)」になる。日本でも、備前焼や常滑焼など、釉薬を掛けず自然釉が掛かったものはこれに分類される。そして釉薬を用いた「陶器」(日本では瀬戸焼、伊賀焼、大谷焼等)が生まれる。
陶器は世界でもあちこちで焼かれていた。だが、九谷焼や伊万里焼に代表される磁器は西暦1000年頃に中国で生まれ(景徳鎮)、石英や長石が主原料のため、吸水性が殆どなく、陶磁器の中では最も硬く金属音がする。
磁器は中国からアジアやヨーロッパに伝わる。日本には豊臣秀吉の朝鮮出兵(1592-1598)により伝わり、ヨーロッパに伝わったのは16世紀のイタリア・フィレンツェである。18世紀前半にドイツに伝わったものはマイセンとして発展。
あらら、何だか陶磁器の話になっちゃいましたが、焼物扱っているのに「ブタの貯金箱」の話は正直今まで知りませんでした。アメリカのドラマや映画でも見掛けるので、日本独自のものではないとは思っていたのですが、イギリスが発祥であるとは。さすが、ウエッジウッドやロイヤルドルトンの国!?それらの会社製の「ブタの貯金箱」もあるのでしょうか?(笑)
いやぁ、つくづく焼物って奥が深いし、いいですね(無理矢理)
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